保育園の登園時、子どもとなかなか離れられない親への援助

2021/10/04

保育士としては子どもを登園させたら、保護者には速やかに帰っていただきたいというのが本音でしょう。しかしストレートに「もう帰っていいですよ。」とは言いづらいですよね。そこで今回は出来るだけスマートに、なおかつ相手に嫌な思いをさせずに保護者が子どもから離れられるような援助をお伝えしたいと思います。

保護者が帰らない理由は?

朝の登園の時間。各保育室まで子どもと保護者は一緒に登園をします。

衣服の補充やおむつの補充・連絡ノートの提出など、乳児は保護者に準備してもらうことが多いですよね。幼児になると、乳児から保育園に通っている子どもが大半なので、クラスの保護者同士仲良くなっています。

なので、その場で話が盛り上がり話し込む保護者の姿もあると思います。

幼児になると保護者がいても「ばいばい!」と手を振ったり、タッチをしたりして個々の離れ方があるでしょう。

ですが、乳児になるとどうでしょうか。子どもの姿を見守る保護者の姿は何か物語っているような気がしませんか。

「心配」「離れたくない」などの心情が出ています。保育園で過ごす子どもの様子は保護者みんな知りたいこと。保護者の気持ちを踏まえ、ここは保護者にも頑張って乗り越えてもらわないといけないですので、その旨をきちんと伝えていきましょう。

子どもの様子にも変化が

保護者の心情は子どもにも伝わります。なので、保護者が「心配で離れられない」となると、もちろん子どもも離れられなくなってしまいます。その気持ちで泣いてしまったり、保護者の元へいきたくなったり…。笑顔でばいばいした子どもの気持ちも組んであげたいところですね。

朝の登園時の見送るこの瞬間は親子にとって、1日が始まるとても大切なひと時笑顔で子どもと見送ることを心がけて毎日の受け入れを行っていきましょう。

「いってらっしゃい」で送り出そう

保護者が離れない原因のもう一つとして考えらえるのが、子どもが離れるのを嫌がっているケース。帰ろうとしているのに子どもに引き止められ、「かわいそうだ」という気持ちから、離れる事が出来ないのかも知れませんね。

保育園生活をスタートさせたばかりの子どもや、何らかの理由があって機嫌が悪い場合にこのような状態になりやすいです。

上着を脱いでもカバンを片づけても保護者と離れないような場合は、積極的に子どもをあずかりに行ってください。たとえ泣かれたとしても子どもは親の姿が見えなくなると、気持ちを切り替える事が出来ます。

「先生と一緒に遊ぼうか。」と子どもに声をかけ、保護者には「後は大丈夫ですよ!お仕事頑張ってくださいね。いってらっしゃい。」と送り出してあげましょう。

「いってらっしゃい。」と言われたら保護者の方も気持ちを切り替えられるでしょう。

保護者が保育士に何か話したい可能性も…短い会話で本音を調査

積極的に保育士とコミュニケーションをとれる保護者もいれば、その反対もいます。

子どもの事について何か相談したいのかも知れませんし、たわいもない話をしたいのかも知れませんが、懇談の時の話や、過去に話した内容を思い出してみましょう。

「前に〇〇で悩んでいると言っていましたが、その後はどうですか?」等と聞かれるとそれをきっかけに話し始めるかも知れません。

しかし登園時間は保育士の人手が十分ではなく、保護者も時間に余裕がある人ばかりではありません。

話が長くなりそうであれば、「今日のお迎えは何時位ですか?お母さんも忙しいと思うので、帰りに少しお話しましょうか。」と約束を取り付けてあげると安心して帰る事でしょう

時間に余裕があり、急ぐ必要がない保護者も

一番困るのがこのタイプです。

仕事の時間が遅い、または仕事がお休みの保護者で、時間に余裕があるので、他の子どもを眺めて「〇○ちゃんのようにあなたもやりなさい!」と子どもにけしかけたり、しまいには他の子どもと一緒に遊び始めてしまったりする保護者も実際にいます。

まずは子どもを親から引き離し、今度は保護者の対応です。

時間に余裕がある保護者には「今日の予定」を聞いてみてください。「買い物」「美容室」「家でゴロゴロするだけ」等の回答に沿って、会話をしていきましょう。

ある程度話を聞いてあげた最後には、帰るきっかけを与えてあげて下さい。「せっかくのお休み、時間がもったいないですよ!」「今日スーパーのタイムセールで〇○が安い日ですよ。」等、何でもよいです。

決して強制する事なく、さりげなく誘導する事を心がけてくださいね



保護者がなかなか子どもから離れない理由はそれぞれですが、どんな理由にも共通して言えるのが「離れるきっかけ」を与えるのは保育士だという事。相手に嫌な思いをさせず、自分の意思を伝える「柔らかい言葉選び」が出来るかどうかも保護者と良好な関係を築く上で必要な事なのかも知れませんね。

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