1歳児|保育室を走り回る子どもの行動とは?

走り回る事は成長の過程と分かってはいても、1人の子どもが走り始めると数人の子どもがつられて走り回り怪我に発展する恐れも…。では、なぜ1歳児には走り回る子どもが多いのでしょうか?1歳児の走り回る行動にスポットを当てて、子どもの行動に隠された理由を見ていきましょう。

1歳児の行動とは?

保育士との意思疎通が少しずつできてくる1歳児。こちらの問いかけや働きかけに言葉や仕草で答えてくれることも増え、0歳児クラスとはまた違ったやりがいを感じられる年齢でもあります。

しかしそれと同時に、自我の芽生えからイヤイヤ期が始まる、噛みつきや引っ掻きなどのトラブルが増える、部屋を走り回って落ち着かないなど一筋縄ではいかないことも増えていきます。

広い保育室に興奮している

1歳児クラスは一般的に0歳児クラスよりも子どもの人数が増え、保育室も広く設定されています。また、ベビーベットやバウンサーなどの子どもの動きをさえぎる物がありません。そのため、今まで0歳児クラスで過ごしていた子どもが1歳児クラスに進級すると、広い部屋に興奮して走り回る姿が多く見られます。

保育園の環境に慣れ生活をしている行動

1歳児クラスから入園してきた子どもも、慣らし保育中は泣いていて走り回るどころではありませんが、保育園に慣れてくると自宅よりも広い空間に興奮してテンションはマックスに…。泣いていた頃が嘘のように走り始めます。

広い保育室に興奮して走る姿は、保育室に慣れてくると徐々に落ち着いていきます。しかし進級したばかりの頃は特に、まだ月齢が低い子どもも多く怪我に繋がりやすい時期でもあります。「走ったら危ないよ」と根気強く伝え、友達にぶつかったり転倒するなど怪我に繋がる恐れがある時には身体全体を受け止めて、動きを止めることも必要です。

1歳児は全てのものに興味津々

1歳児クラスでは、月齢差はありますがほとんどの子どもが歩けるようになり、行動範囲が広がることに伴って興味も広がっていきます。目にするもの、耳にするもの全てに興味を持つと言っても良いほどに、好奇心旺盛な状態です。

こんなことまで興味があるの!?

例えば座って朝の会をしている途中でも、窓の外に飛行機が見えれば自然と飛行機を目指し追いかけていきます。製作活動の途中でも、他のクラスから歌が聞こえてくれば歌が聞こえる方向に動き、座って遊んでいる時にも、降園の時間と重なり友達のお母さんが迎えに来れば、お迎えのお母さんの方に向かい走り始めます。

大人から見るとそれほど興味を引き付けるようには感じないことや物でも、子どもにとっては走り出したくなるほどに興味を引き付けられるのです。

目新しいものに興味を引く子ども達

今は落ち着いて活動がしたいという時には、子どもの興味を全て保育士に引きつける必要があります。朝の会では歌をうたって挨拶をするだけではなく、子どもが好きなぬいぐるみなどのアイテムを使って一緒に会に参加させるだけでも、いつもとは違う目新しさに子どもの気持ちは引きつけられますよ。

落ち着いた活動をしたい時には、「走らないよ」という言葉よりも、子どもの興味を引き付けるアイテムや遊びを取り入れることがポイントです。

友達に関心が出てくる時期

0歳児の頃は大人との関りを喜び、友達と同じ空間で遊んでいても自分1人での遊びを楽しんでいた子ども達。しかし、1歳児になると周りの友達に関心を持ち始め、徐々に関わりが見られるようになります。

1人が走り出すと保育室はどうなる?

遊びの中ではもちろんですが、保育室を走り回っている状態でもそれは同じです。1人の子どもが走り始めると、「なんだか楽しそう」ともう1人走り始めます。そうなると3人4人と走り始めて収集がつかない状態に…。

初めに走り始めた子どもは、何か興味を引き付けられるものを見つけて走り始めたのかもしれませんが、人数が増えていくうちに友達と一緒に保育室をぐるぐると走るという行為自体が楽しくなっているのです。

そのまま遊びにつなげてみよう

どんなに落ち着いて座らせようとしても逆効果。保育士が追いかける様子が楽しくてますます走り回ります。そんな時には視点を変えて、走り回る状態を活動にしてしまいましょう。

まずは保育士も子どもと一緒に小走りをします。そして途中で、「ピタッ」と言って動きを止めます。その後は、歩く小走り止まるの動きを繰り返すうちに、子ども達も一緒に止まったり走ったりを楽しんでくれるようになります。走り回る状態が動と静の動きを楽しむ活動に早変わり!
歌に合わせて歩く、止まるなど遊びを発展させても楽しいですよ。

クラス中の走り回っている子どもを止めて落ち着かせるよりも、有意義な活動時間となるのでおすすめです。

保育室を走り回る、それだけの行動にもいくつかの理由があります。それぞれの理由を見極めることで、より安全で充実した保育ができるようになります。
好奇心の発達も友達への関心も子どもの成長の1つであることを前提に、子どもの様子に合わせた対応を心掛けていきたいですね。