プールでの感染に注意!水いぼの特徴とは

保育園でのプール活動が始まると、心配なのが水いぼの流行です。登園停止になるような感染症ではありませんが、プール活動で使うビート板や浮き輪にウイルスが付着することでの感染が多く見られます。痛みやかゆみはありませんが、水いぼをひっかいてしまうと全身に広がってしまうことも。水いぼとは具体的にどんな感染症なのか。その特徴や治療法、保育園で対策を見ていきましょう。

水いぼの症状とは?

水いぼとは、子どもが罹ることの多い皮膚感染庄で、皮膚の表面にできる水をもったような白っぽいいぼです。

正式名称は「伝染性軟属腫」。水いぼと呼ばれていますが、中には水が入っているわけではありません。

いぼの中には、ウイルスが白い塊になって入っています。水いぼがつぶれて中のウイルスが外に出ることで、水いぼのできていない部分や他の人にも感染してしまうのです。

水いぼ自体には痛みやかゆみはありません。しかし、アトピー性皮膚炎や皮膚の弱い子どもは特に、皮膚をかいてしまうことであっという間に全身に広がってしまうこともあります。

水いぼの治療法

治療法

水いぼは、特に治療をしなくても自然に治る感染症であると言われています。

しかし、広がってしまうと治るまでにかなりの時間がかかり、自然治癒までに2,3年というケースも少なくありません。

その間、他の子どもへの感染にも配慮しなければならないため、数が少ないうち治療をすることが多くなります。

行われることの多い治療法は2つ。専用のピンセットを使って、水いぼの中のウイルスを取り出す方法と液体窒素を使った凍結療法です。

ピンセットで水いぼを取るメリットは、確実に取ることができて少ない受診回数で完治すること。しかし、痛みを伴いますし、出血することもあります。

少ない数ならば良いですが、数が多くなってしまった場合には、子どもにとってかなりの負担です。そのため、麻酔テープを使用する場合もあります。

一方液体窒素を使った方法は、ピンセットでの除去に比べると痛みが少ないことが特徴です。しかし、一度の治療では消失しませんので、定期的に通院する必要があります。

水いぼを治療するのか、治療しないのか。どんな治療法の病院を選ぶのかということは、保護者の方が判断することですが、知識としても知っておくと良いでしょう。

子どもに水いぼができた時の保育園での対策

水いぼはプールの時期に流行ることが多いので、プールの水で感染すると思われがちですが、プールの水を介して感染することはありません。

プールで使うビート版や浮き輪に水いぼのウイルスが付着したり、直接肌が触れることで感染してしまうのです。

水いぼができている時には、保育園や幼稚園、小学校のプールに入れないという決まりはありません。ビート版や浮き輪の使用を控えることで感染予防効果があるからです。

しかし、プール中は直接肌が触れることもありますし、肌の出ている範囲が広いので水いぼを引っ掻いてしまい、その手で他の子どもの肌に触れる機会も増えます。

その為、水いぼができている場合は、プールを控えてもらうという対策をとっている園も少なくありません。

プールの可否は園の方針によりますが、必ず保育士間で共通認識を持っている必要があります。この先生は入って良いと言ったのに、他の先生は入ってはダメと言っている、という様に、保育士によって対応が違うと不信感につながるからです。

プール活動の前には必ず全身のチェックを行い、水いぼと思われる症状が見られた時には、保護者の方に伝えましょう。

そして、ビート版や浮き輪の使用、タオルの共有を控えることで、水いぼの感染予防に努めることが大切です。

夏に流行することの多い水いぼ。痛みやかゆみがないとは言っても、あっという間に全身に広がってしまうこともあります。その為、少ないうちの除去を進める病院が多いことが実態です。プールの可否については、保育園に任されているため判断が難しいですが、保育士間で共通認識を持って対応するようにしましょう。水いぼの特徴を把握し、症状が見られるときには、必ず保護者の方に伝えてくださいね。