保育士の転職|株式会社が経営している保育園の特徴とは

多くの私立認可保育園が設立されている中で、昨今増えてきているのが株式会社が経営する保育園です。社会福祉法人の運営というイメージがまだまだ強い保育園ですが、求人情報を見ていても、株式会社を経営母体に持つ保育園の求人が多く見られるようになりました。社会福祉法人運営の保育園と株式会社経営の保育園には、それぞれに異なる特徴があります。その特徴を把握しておくことは、後悔しない転職につながりますよ。株式会社経営の保育園の特徴、働く保育士のメリット・デメリットを見ていきましょう。

株式会社経営の保育園が誕生した背景

株式会社が保育園の経営に参入したのは、2000年の規制緩和からのことです。それまでは、私立認可保育園の運営は社会福祉法人に限られていました。しかし保育園不足が深刻になる中で、設置主体の規制が緩和され、株式会社やNPO法人も保育園を設置できるようになったのです。
さらには、2015年にスタートした「子ども・子育て支援新制度」により、園児定員19名以下、0,1,2歳児のみの子どもを受け入れる小規模認可保育園の設立が可能になりました。都市部に多くの保育園を展開する株式会社にとっては、この制度によってさらに保育園の設置がしやすくなったのです。
規制緩和と新制度のスタート受け、株式会社経営の保育園は年々増加。全国に100園以上の保育園を経営する株式会社もあります。

株式会社が経営する保育園の特徴とは

株式会社が経営する保育園の1番の特徴は、営利団体であるということです。営利団体は利益の追求を行います。一方、社会福祉法人は非営利団体です。

営利団体である株式会社は、利益を得るために保護者のニーズに答え、より良いサービスを提供することで利用者を増やす努力をします。
長時間の開園や夕食の提供を行うことで、保護者が利用しやすい環境を整えている施設。また、多くの子どもに通ってもらうために、子どもが楽しめるプログラムや教育的なカリキュラムが豊富な施設もあります。
株式会社経営の保育園は、子どもや保護者を「お客様」として扱っているという特徴があるのです。

株式会社経営の保育園で働くメリット・デメリット

社会福祉法人とは違った特徴がある株式会社の保育園。そこで働く保育士にも、株式会社ならではのメリット・デメリットがあります。

株式会社の保育園で働くメリット

  • 保育方針やマニュアルが分かりやすい

大手の株式会社ですと、全国に多くの保育園を経営しています。全ての保育園で同じ水準の保育を提供するためには、全ての保育士が理解できる保育方針や細かいマニュアルを作る必要があるのです。
そのため、働き始めたばかりでもマニュアルをしっかりと覚えていれば、安心して仕事に臨めるというメリットがあります。

  • 園長が保育士の立場に立ってくれることが多い

社会福祉法人の園長は経営に関わっている場合がほとんどです。理事長が旦那さん、園長が奥さんというように、家族経営が多いのですよね。
一方株式会社経営の保育園では、園長も他の保育士と同じように会社の社員です。同じ社員という立場ですのでフランクな関係を築くことができたり、保育士の立場に立った園運営を行ってくれるケースが多く見られます。

  • キャリアアップの機会が多い

株式会社経営の保育園には新規保育園も多く、勤続年数が浅い保育士が多いことが特長です。ベテラン保育士が少ないことはデメリットともなりますが、働いている保育士にとってはキャリアアップの機会が多いというメリットでもあります。勤続年数が浅くても、やる気と保育力があれば、主任や園長に抜擢されることも少なくありません。
また研修制度が整っている企業も多いので、保育スキルを磨くこともできます。

株式会社の保育園で働くデメリット

  • 異動を打診されることがある

社会福祉法人運営の保育園は基本的には異動がありません。いくつかの園を運営している場合でも、場所が近いことがほとんどです。
一方、株式会社経営の保育園は、全国に新規園を立ち上げているケースも少なくありません。そのため、既存園で何年か経験を積んだのちに、新規園への異動を打診されることもあるのです。もちろん断ることもできますが、断り辛い状況に追い込まれることも。
しかし反対に、家庭の事情で引っ越しをしなければならない時や、園内で働き辛いと感じたときには、異動の希望が出せるというメリットもあります。

  • 保護者のニーズに答えるために業務が増えることも

株式会社経営の保育園は、保護者のニーズに答えようという傾向が強くなります。例えば、保護者の勤務時間に合わせるために22時までの開園。夕食の提供がある。など、保護者が求める保育を提供することで、保育士の業務は増加します。業務の増加に伴って、パート保育士の人数を増やすなどの工夫をしている園も多いので、転職の際には仕事量と保育士人数を確認してくださいね。

  • 独自のカリキュラムを受け入れる必要がある

利益を追求するために、株式会社経営の保育園ではさまざまなカリキュラムを取り入れています。転職前の保育園とは大きく異なる保育に、慣れるまでは違和感を感じることも。今までの保育経験を生かしながらも、新たなカリキュラムを受け入れる柔軟さが求められます。

株式会社が保育園の経営に参入した歴史は、まだまだ浅いです。しかし歴史が浅いからこそ、新しいカリキュラムを取り入れていたり、保育士の立場に立った運営が可能であったりと、利用者にとっても働く保育士にとってもメリットはたくさんあります。もちろん株式会社経営の保育園が全て同じという訳ではありません。メリット・デメリットを理解した上で、それぞれの保育園を実際に自分の目で見て、転職先候補の1つに加えてみてはいかがでしょうか?