【保育士必見】秋に気をつけたい子どもの病気をおさらい

秋になると、子どもの病気が心配になりますよね。秋は、気温差が大きい季節です。そのため、子どもたちも体調管理に気をつけないとすぐに体調を崩してしまうことも少なくありません。とくに、感染症の場合は、他の子どもに広がってしまう可能性があるので、保育士として気をつけることです。そこで今回は、保育士がおさえておくべき秋に流行する3つの感染症についてまとめてみました。子どもたちも保育士も健康に過ごせるように、秋の病気への対処方法や予防方法を確認しましょう。

秋に流行しやすい子どもの病気

秋に流行する感染症は、主にこの3つです。

  • RSウイルス感染症
  • 溶連菌感染症
  • 感染性胃腸炎

それぞれの特徴や対処方法を確認していきましょう。

RSウイルス感染症

RSウイルス感染症とは、RSウイルスによる急性の呼吸器感染症です。 症状自体は、風邪のような軽いものですが、乳児の感染は重症化の危険性もあるので、気をつける必要があります。

【症状】
乾いた咳・発熱、鼻水が数日続き、ほとんどが1〜2週間で症状が落ち着きます。
【潜伏期間】
4〜6日
【感染期間】
7〜21日
【感染経路】
主に飛沫感染、接触感染
【治療法】
特効薬はなく、対症療法で治るのを待ちます。水分補給と加湿も行いましょう。
【気をつけること】
ほとんどが風邪のような症状で済みますが、場合によっては気管支炎や肺炎になることもあり、特に乳児(1歳未満児)は重症化しやすいので注意が必要です。
【予防策】
マスクの着用や手洗い、うがいの徹底 日常的に触れる玩具や遊具、手すりドアノブなどはこまめにアルコール消毒を行いましょう。

溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)

溶連菌感染症は、主にのどの痛み、咽頭炎、扁桃炎や小さく紅い発疹を伴う猩紅熱(しょうこうねつ)といった病気を引き起こします。
【症状】
発熱(38〜39℃)、のどの痛み、嘔吐などの症状が始まります。その後にかゆみを伴う紅い細かい発疹が体や手足にあらわれたり、舌にいちごのようなブツブツが発生します。熱が下がると手足の皮膚がむけることがあります。
【潜伏期間】
2〜5日
【感染期間】
7〜21日
【感染経路】
主に飛沫感染、経口感染
【治療法】
有効な抗生物質を内服することで感染力がほとんどなくなります。
【気をつけること】
のどの痛みがある場合は消化によい食べ物をとるようにし、水分補給も十分にとりましょう。
【予防策】
マスクの着用や手洗い、うがいの徹底。もし溶連菌感染症に家族がかかってしまった場合は、同じ食器を使うことは避けましょう。また溶連菌を完全に退治するまでは熱が下がり症状が改善しても、処方された抗生物質はしっかり飲みきるようにしましょう。

感染性胃腸炎(ノロウイルス感染症)

感染性胃腸炎は、腹痛や嘔吐を引き起こす感染症です。ノロウィルスなどが有名ですね。ウイルスが少量でも感染しやすく、広がりやすいので二次感染にならないよう注意が必要です。

【症状】
嘔吐・吐き気・下痢・嘔吐や下痢が1日数回〜10回以上の場合もあります。
【潜伏期間】
24〜48時間
【感染期間】
7日
(2〜3日で症状が落ち着いても、まだ体内にウイルスが残り、排泄される可能性があります。)
【感染経路】
主に糞口(経口)感染、飛沫感染、接触感染
【治療法】
効果的な抗ウイルス薬はありません。対症療法で治るのを待ちます。水分補給をこまめにとるようにしましょう。
【気をつけること】
アルコールやエタノールでは殺菌効果がありません。85度以上で1分間以上の加熱や次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が効果的です。また、嘔吐があるときは無理に食べさせずに、経口補水液や電解質濃度の高いイオン飲料をとることで脱水を防ぐことができます。
【予防策】
マスクの着用や手洗い、糞便・おむつ・嘔吐物の適切な処理、汚染された物や場所の塩素系薬剤による消毒を徹底しましょう。

保育現場で気をつける5つの予防ポイント

保育現場で感染症が流行することは、なんとしても避けないといけないですね。秋の病気を予防するために、保育現場で気をつける5つのポイントをまとめてみました。

  • ポイント1. ・保育室の換気をこまめに行う 寒くなってくる季節ですが、窓を開けて換気することは必要です。
  • ポイント2. ・室温管理・加湿をしっかり行う 空気が乾燥するとウイルスが飛沫しやすくなります
  • ポイント3. ・手洗いうがいを徹底して行う 子どもたちの日常の習慣として取り入れていくことが予防につながります。うがいのできない乳児は水分補給をとるようにしましょう。
  • ポイント4. ・保育室内の掃除を行う 日常的に触れる玩具や遊具、手すりドアノブなどはこまめにアルコール消毒を行うようにしましょう。
  • ポイント5. ・子どもが感染症の症状がある場合、感染拡散しないようにする 感染症の症状がある子どもは、外遊びを控えたり、別室での保育をするなどの感染拡大の予防を行いましょう。

また家庭にも園での子どもの体調や様子を伝えていくようにして、子どもの症状が悪化する場合は病院受診をすすめてください。もちろん、園によってルールがあると思いますが、これらの予防ポイントも参考にしてくださいね。

健康に過ごすために家庭で気を付けてもらうこと

保育現場で予防に気をつけるとともに、家庭での体調管理も重要になります。

子どもたちが元気に過ごすために大切な生活習慣は…

  • 十分な睡眠をとる(早寝早起き)
  • バランスの良い食事をとる(朝食をしっかりとる)
  • 日頃から体を動かしたり、適度な運動を心がける

この3つが重要です。とくに睡眠と食事は保護者とコミュニケーションをとって家庭で気をつけてもらいましょう。

今回は、秋に気をつけたい病気やその予防法についてご紹介しました。秋は季節の変わり目で、体調管理が難しいです。子どもの体調変化に気づき、適切に対処してあげましょう。もちろん、病気にならないための予防も重要です。子どもたちと保育士が元気に過ごせるように心がけて行きましょう。