保育士配置基準の見直し~より良い保育と働きやすさをプラス~

保育士配置基準で定められた保育士の人数。それは、子どもが健やかに過ごすために、そして保育士が安心して働くために十分な配置となっているのでしょうか?国で定められた保育士配置基準を元に見ていきましょう。

保育士配置基準とは?

子どもの人数に対して必要な保育士の人数の最低基準です。1948年度では0歳児10人につき保育士1人という驚くべき配置基準が定められていました。
元々は厚生労働省令の中で規定されていましたが、2011年に児童福祉法が改正され、現在では国で定められた「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」を踏まえて、都道府県が条例で定める事となっています。

子どもの年齢別に必要とされる保育士の人数が定められていますが、クラス編成に必要な保育士の人数が定められている訳ではありません。その為、保育園全体の保育士をクラス毎に配置すると、そのクラス内で保育士人数が不足しているという状況に陥る可能性もあるのです。

2015年度に定められら保育士配置人数

2015年度では、0歳児3名につき保育士1人、1,2歳児は6名につき保育士1人、3歳児は20人に1人、4,5歳児は30人に1人の保育士配置が国の基準となっております。どの年齢でも「おおむね」の人数とされていますので、この基準を元に都道府県が保育士配置基準を定めます。

●図:保育所保育士配置基準(最低基準)の改善経過

年度 乳児 1歳児 2歳児 3歳児 4歳児~
1948~51 10:1 30:1
1952~61 10:1 (10:1) 30:1
1962 10:1(9:1) 30:1
1964 8:1 (9:1) 30:1
1965 8:1 30:1
1966 (7:1) 30:1
1967 6:1 30:1
1968 6:1 (25:1) 30:1
1969~97 (3:1) 6:1 20:1 30:1
1998~2014 3:1 6:1 20:1 30:1
2015 3:1 6:1 (15:1) 30:1

より良い保育を行う為の保育士配置とは

年齢ごとに必要な保育士配置人数を見てきましたが、本当にこの基準で保育士の人数は足りているのでしょうか?
保育士の1番の仕事は子どもとの関りです。しかし、子どもの様子は毎日変わります。特に0,1,2歳児クラスでは、まだまだ甘えたい子ども達ばかり。1対1での対応が必要な時期でもあります。

1歳児の国の基準を見てみると、子ども6人につき保育士1人とされています。都道府県が定めた基準として子ども5人につき保育士1人とされている場合もありますが、それでも子どもが満足できるような関りが十分にできるとは言えません。更には、子ども同士のトラブルが増える時期でもありますので、保育士が余裕を持って保育ができる人数配置であるとはとうてい言えないのです。

その為、多くの保育園ではパート保育士を雇い、少しでも余裕を持って保育士が子どもと関われる様に配慮しています。

働きやすい環境作りとは

保育士配置基準の人数は、保育士が勤務中の全てを子どもとの関りに充てられるということが前提になっています。

欠かすことができない環境作り

しかし、保育士の仕事は子どもとの関りだけではありません。保護者に保育園での様子を伝える為の連絡帳の記入、制作の準備、書類作成や会議、保育室の掃除など保育士がするべき仕事はたくさんあります。
そのどれもが、子どもが保育園で健やかに過ごすために必要な業務ですし、保護者が安心して子どもを預けられる環境作りの為には欠かすことができません。

その為、多くの保育士が時間外に残業をしたり、それでも終わらない時には家に持ち帰って仕事をするという状況になってしまうのです。

余裕が持てる様な保育士の人数配置

時間外に仕事をすることで身体も休まらないので、1番重要な子どもとの関りに支障が出るという可能性もあります。
その様な状況を防ぐ為には、勤務時間内に子どもと関わる以外の業務を行える、時間の余裕が持てる様な保育士の人数配置が必要となります。

保育園が独自に、基準よりも多くの保育士を雇い入れ、余裕を持って働ける環境作りに尽力している場合もありますが、それでは保育園間で保育の格差が生まれてしまいます。 この現状を変える為には、元々の保育士配置基準の見直しが必要なのかもしれませんね。



保育士が余裕を持って働くことは、子どもとの充実した関わりに繋がります。子ども達の為、そして働く保育士の為に、より良い環境作りのための保育士配置基準が作られていくことに期待しましょう。