プライベートで付き合う保護者との境界線は?

保護者に信頼してもらえることは、保育士にとって大きな喜びとなりますよね。子どもの様子を話したり、一緒に成長を喜び合ううちに一体感も生まれるものです。時には、保育園という枠を超えて、連絡先を聞かれたりプライベートなお誘いを頂くことも…。では保育士として、保護者との適切な境界線とはどこなのでしょうか?

保護者に個人的な連絡先を聞かれた時

子どもが保育園に在籍している限りはお断りをすることをおすすめします。 保育士はどんなに保護者と良い信頼関係が築けていたとしても、友達の様な関係になってはいけません。クラス内で特定の保護者を特別扱いすることは、他の保護者から反感をかう原因ともなります。あくまでも勤務時間内が保育士の仕事です。

個人の連絡先を教えてしまう事で、勤務時間外に連絡がきて対応せざるを得ない状況になる可能性もあります。 自宅の場所を伝える事も同じで、住所を伝えていなくてもだいたいの自宅の場所を伝えることで、保護者が自宅に来てしまうという場合もあります。 子どもが保育園に在籍している限りは、保育園を通して連絡を取る様にしましょう。

卒園後は、連絡先の交換や住所を伝えて年賀状などのやりとりをすることを許可している保育園もあります。その様な場合には、自分の判断で連絡先や住所を伝えるかを決めましょう。個人情報の問題もありますので、伝えたくない場合には「皆さんにお伝えしない様にしていますので」と丁寧にお断りしましょう。

子どもの習い事や買い物先が同じ場合

自宅近くの保育園に勤めている場合には、買い物の際によく遭遇するという場合もありますよね。そんな時には、ご近所さんとしての付き合いはしても問題ないでしょう。ただ、保育園内の情報や他の園児、保護者についての事情は絶対に話さない様にしましょう。個人情報の漏洩に繋がります。園外で会った時には、笑顔で挨拶をする程度で十分です。

また、同じくらいの年齢の子どもがいる場合には、我が子と園児の習い事が同じという場合もあるかと思います。そんな時には、同じ習い事に子どもを通わせる保護者というスタンスを崩さない様にしましょう。保育園でのことは極力話題に出さず習い事についての話やご近所さんとしての会話に留める様にすると、保護者も察してくれる事でしょう。

卒園後に食事会や飲み会に誘われた場合

子どもが卒園した後に、保護者主催の食事会に誘われることが恒例になっている保育園もあるかと思います。もちろん、保育園公認の食事会には参加しても問題ありません。しかし、ここで気を付けたいのがお酒が入った場合です。

食事会と言っても、保護者も保育士も大人ですのでお酒が入ることがほとんどです。大勢の保護者にどんどん飲まされてしまって、気がついたら保育園の内情について話してしまっていたという状況にもなりかねません。卒園したとはいえ、その様な情報はあっと言う間に出回ってしまうものです。あくまでも保育士として参加しているということは忘れずに。節度を守って参加しましょう。

また卒園後に連絡先を交換している場合には、その後もコンスタントに飲み会に誘われるということもあるかと思います。保育士と保護者という関係ではありませんが、飲み会に参加しているという事が園側に伝わってしまう可能性はあります。一言、園長や主任に相談をしてから参加をした方が良いでしょう。

意外と難しい保護者との関わりの境界線。良い関係を築きたいと思うばかりに、園外でも連絡を取り合ったり個人的な付き合いを始めてしまうと、かえって悪い関係になってしまうという場合もあります。あくまでも保育士と保護者という枠の中で、良い関係を築いていけると良いですね。