大阪府の保育園の特徴

人気の観光スポットが多く、たくさんの人が集まる大阪府。面積は小さいながらも人口は多く、その分保育園の利用を希望する人が多いことも特徴の1つです。2018年の厚生労働省の調べによると、大阪府内の保育施設数は1990園。その中でも、府庁所在地である大阪市は、政令指定都市としては全国2位の保育園数を誇っています。待機児童数は677人とまだまだ多いことが現状です。しかし、前年度と比べると513人の減少が見られ、待機児童解消のための良い流れができていると言えるでしょう。

【参考】厚生労働省　「保育所等関連状況取りまとめ」
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000350592.pdf#search='%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%9C%81+%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD+%E4%BF%9D%E8%82%B2%E5%9C%92%E6%95%B0'

大阪府における認定こども園

大阪府内の認定こども園は、2018年の時点で573園あり、全国最多となっています。さらに、2019年の大阪府の調べによると658園までに増えているという実態も。今後ますます、認定こども園が増えることが予測されます。
認定こども園で働く職員は、形態や担当する年齢によっては保育士資格と幼稚園教諭免許の両方を保有していることが必要です。しかし中には、保育士資格のみでも働ける場合もあります。実際に求人情報でも、保育士資格の保有のみを応募要件としている園も少なくありません。保育士資格のみを持っているという方でも、働ける可能性があることを頭に入れておくと良いでしょう。

【参考】認定こども園に関する状況について（平成30年4月1日現在）
https://www8.cao.go.jp/shoushi/kodomoen/pdf/kodomoen_jokyo.pdf#search='%E5%85%A8%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%AA%8D%E5%AE%9A%E3%81%93%E3%81%A9%E3%82%82%E5%9C%92%E6%95%B0'

大阪府　認定こども園一覧
http://www.pref.osaka.lg.jp/kosodateshien/kodomoen/index.html

大阪府で働く保育士の給与事情

2017年の賃金構造基本統計調査によると、大阪府で働く保育士の平均月給は、23万4,100円、平均賞与は72万8,300円でした。年収にすると、353万7,500円です。隣県である京都府は平均年収400万円を超え、同じように隣県である奈良県は320万円に届かない平均年収ですので、近い地域であっても給与差が大きいという特徴もあります。実際に、求人情報を見ていると、17万円から20万円ほど園が多く、キャリアによっては28万円スタートという好条件の求人もありました。また、派遣社員の求人が多いという特徴もあり、時給1,200円もしくは1,300円からという求人が多く見つかります。

【参考】平成29年賃金構造基本統計調査
「年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001098975&tclass2=000001098977&tclass3=000001098986

大阪府の保育士求人状況は？

2018年度の厚生労働省の調べによると、大阪府の保育士の有効求人倍率は4.49倍。東京都、埼玉県に次いで3番目に高い数値となっています。保育士を雇いたいと考えている4つの園に対して1園しか雇用ができない状態ですので、どれだけ保育士が足りていないかということが分かりますね。待機児童解消のために多くの保育施設が設立される中、働く保育士が足りていないという実態があるのです。
大阪府では、府や市町村を挙げて保育士確保に取り組んでいますが、各園としても正社員に限らず派遣保育士やパート保育士を募集したり、福利厚生を充実させるなどの工夫が見られます。

【参考】厚生労働省　「保育士確保集中取り組みキャンペーン概要」
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/hoiku/jinzaikakuho_torikumi.files/kakuho.pdf#search='%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD+%E4%BF%9D%E8%82%B2%E5%A3%AB+%E6%B1%82%E4%BA%BA%E5%80%8D%E7%8E%87'

大阪府の保育士確保の取り組み

保育士不足が深刻な大阪府。国を挙げての取り組みの他に、府や市町村では保育士確保を目的とした独自の制度を取り入れています。

保育士を目指す人のための制度が、「保育士修学資金貸付」。保育士養成校に通う人に月額5万円以内、入学金、就職準備金としてそれぞれ20万円以内の貸付を行います、大阪府内の保育施設に5年間勤務すれば返済は免除です。
潜在保育士のための制度が、「保育士準備金貸付」。1年以上ブランクがあり大阪市内の保育施設に復帰する人に、40万円の貸付を行います。

子育て中の保育士のためには、「保育料の一部貸付」。月額2万7,000円を上限として、保育料の半額を貸してくれます。さらに、保育施設を利用している保育士が、ベビーシッターなどの保育サービスを利用する場合に、年間12万3,000円を上限として貸付を受けられます。
保育士準備金と保育料の一部貸付は、大阪府内の保育施設に2年間勤務すれば返済は免除です。

これらの制度は政令指定都市である大阪市と堺市以外の大阪府内の市町村で、実施されています。
大阪市では、「保育士準備金貸付」「保育料の一部貸付」に加えて、「保育士宿舎借り上げ支援事業」の実施も。保育所に採用されてから10年以内の保育士のために、宿舎を借り上げた保育施設に対して、月額8万2,000円を上限に補助を行うというものです。

堺市では、「保育士修学資金貸付」「保育士準備金貸付」に加えて、「保育士宿舎借り上げ支援事業」を実施しています。保育所に採用されてから5年以内の保育士が対象になること、月額上限が61,500円であることなど、大阪市とは異なる点もありますので、注意しましょう。

【参考】大阪府　保育士確保のための貸付事業
http://www.pref.osaka.lg.jp/kosodateshien/hoiku_syugaku/index.html

大阪市　保育人材の確保対策事業
https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000410700.html

堺市　堺市で保育士になろう！
https://www.city.sakai.lg.jp/kosodate/hughug/seishonen_oshirase/sonota/hoikusikakuho.html

大阪府で転職先を探すときのポイント

大阪府は待機児童が多く、保育士不足が深刻な地域です。そのため、保育士確保の取り組みが府や市町村、各園を挙げて進められています。各市町村によって、制度が異なりますので、自分がどの制度を利用できるのか、ということを把握しておくと良いでしょう。また、認定こども園の求人や派遣社員の求人が多いという特徴もあります。保育園での求人を探すのか、認定こども園での勤務も視野に入れるのか。正社員を目指すのか、派遣社員として働くのかなど、一つひとつ丁寧に選択することで、理想の職場に出会える可能性が高まりますよ。常に保育士が求められている地域ですので、妥協せずに選ぶことが大切です。