保育士を辞めたい理由にあがる「人間関係」の上手く付き合う方法

保育士不足の一因である、保育士の離職率の高さ。保育士を辞める理由は、仕事量の多さや賃金の低さなどが挙げられますが、一緒に働く保育士や園長との人間関係の悩みから退職を考える人も少なくありません。特に人間関係は精神的な部分での負担となるので、中には人間関係がもとで体調を崩してしまい退職をするという人も…。
憧れて就いた保育士の仕事。出来ることならば良好な人間関係を築いて気持ちよく働きたいですよね。良好な人間関係を築くにはどうすれば良いのかを一緒に考えていきましょう。

まずは笑顔で挨拶!笑顔はコミュニケーションの第一歩

初めての職場で築く人間関係の第一歩は、笑顔での挨拶にあります。先輩保育士を前にすると緊張して顔がこわばってしまったり声が小さくなってしまうという方もいるかもしれませんが、そんな時には出勤をする前に鏡の前で笑顔の練習をしてみましょう。

笑顔で挨拶をしてくれる人に対してほとんどの人は笑顔で挨拶を返してくれます。これがコミュニケーションの第一歩ですね。

ただ、保育園は忙しい職場ですので、時にはそっけなく挨拶を返されたり、挨拶を返してもらえない時もあります。挨拶を返してもらえないと落ち込みますが、その気持ちはぐっとこらえてめげずに笑顔で挨拶です。丁度忙しくて余裕がないタイミングだっただけで、次に挨拶をした時には、笑顔で返してくれる可能性が高いからです。

この笑顔で挨拶は一緒に働く保育士だけではなく、子どもや保護者に対しても同じです。保育士としての挨拶の練習にもなりますので、まずは一緒に働く保育士に笑顔で挨拶を心掛けてみましょう。

やるべき仕事が分からない時は積極的に尋ねる

やるべき仕事が分からない時は積極的に尋ねる

働き始めの頃は特に、今の時間に何をしたら良いのか分からないという状況に陥ることが多くなります。 そんな時は、自分が何をするべきなのか積極的に先輩保育士に尋ねましょう。保育室に入り子どもの前に立ったら、新人さんでも1人の保育士です。先輩保育士が忙しいからと言って質問をせずに何もしないままでいると、保育は成り立ちません。その結果「積極性のない新人保育士」と周りから思われてしまいます。

初めは何をしたら良いのか分からなくて当たり前。先輩の動きを見て質問をして、積極的に仕事を覚えようとする姿を前面に出すことが重要です。
そして、1度教わったことは時間ができた時にメモをしておき、次に同じ状況になった時には聞かなくてもできるようになっているようにしましょう。何度も同じことを聞いていると、「何度教えても仕事を覚えてくれない後輩」と周りから思われてしまします。

子どもとの関わり方など、一言で説明ができない内容は、午睡中などの時間がある時に尋ねると良いですね。保育中は忙しくてゆっくりと教えている時間がないので、時間がある時に尋ねてくれると、「配慮ができる後輩」という印象になります。

後輩指導は分かりやすい言葉で具体的に!

ここまでは後輩保育士として働く時の先輩保育士との人間関係の築き方をご紹介しましたが、先輩保育士という立場になった時にも人間関係の悩みや尽きません。

その1つが後輩保育士への指導。何度説明しても仕事内容を覚えてくれない、自分で考えて動いてくれないという悩みや、後輩保育士との連携が取れずにクラスが落ち着かないということもあります。

保育園の中でも中堅の立場になると、園長と後輩保育士に挟まれて板挟みになることも…。その結果、園に居辛くなり退職をする人も少なくないのです。
そうならないためには、後輩保育士と良好な関係を築き適切な指導をする必要があります。

後輩指導をする時には、まずは分かりやすい言葉で伝えること。保育士ならば知っていて当たり前と思う仕事内容でも、かみ砕いて分かりやすく伝えるようにしましょう。
自分の基準で話をしてしまうと、結局理解できていなくていつまで経っても仕事を覚えられないという状況になりかねません。

そしてもう1つ、具体的に伝えることも大切です。例えば、子どもに読む絵本を選ぶ時に年齢に合わないような難しい絵本を選んできたとしたら、「もう少し簡単な絵本の方が良いと思うよ」と伝えるのではなく、「この年齢ならば、ページ数はこのくらいで、絵が大きく描かれていてわかりやすい絵本がおすすめだよ」というように、細かくアドバイスをしてあげると、保育経験が浅い保育士にも伝わりやすいです。

中堅の立場になると、後輩への指導力の低さを園長に指摘されるという新たな悩みも生まれます。分かりやすく具体的な指導で後輩を育て、後輩とも園長とも良好な人間関係を築くきっかけ作りに役立ててみてくださいね。

まとめ

人間関係の悩みが解消できれば、気持ち良く仕事ができますし、仕事へのやる気も増します。また、複数担任でクラスを担当することの多い保育園では、担任同士の関係がそのまま子ども達にも影響します。
まずは、笑顔のコミュニケーションで自分から歩み寄ること。そして仕事への積極的な姿勢を示すことで、先輩保育士への印象アップです。

そして、自分が先輩保育士の立場になった時には、後輩保育士と園長との間に立つこととなります。後輩保育士へ丁寧な指導をして良好な関係を築くことが、園長からの評価にも繋がります。

友達の様な関係ではありませんが、お互いが気持ちよく仕事ができて、保育士として長く勤められるように、相手を思いやった接し方を心掛けたいですね。