保育中の事故を防ぐために効果的!ヒヤリハットの共有

子どもの安全を守ることは、保育士の重要な役割の1つです。そのためには、怪我や事故を未然に防ぐ努力が求められます。事故を防ぐために必要なことが、危険予測をする能力とヒヤリハットの共有です。危険予測は経験を積まなければ難しい部分もありますが、ヒヤリハットの共有は今すぐにでも始められます。そもそもヒヤリハットとはどんなものなのか。子どもの安全を守るために取り入れたいヒヤリハットの共有について見ていきましょう。

ヒヤリハットとはどんなもの?

ヒヤリハットとは、重大な事故や怪我には繋がらなかったものの、事故が起きる可能性も十分にあった状態を示します。事故が起こる一歩手前、「ヒヤリとしてハッした」が語源です。保育園だけではなく病院などでも使われることの多い「ヒヤリハット」。
自分のミスなどでヒヤリハットが起こると、周りに伝えづらいと感じる人も少なくありません。しかし、事故が起こる可能性が十分にあった状態を職員全員で共有することが、実際に事故が起こってしまう事態を避けるためにはとても重要なのです。

保育の現場で実際にあったヒヤリハット

ヒヤリハット

保育の現場で起きることの多いヒヤリハット。実際にあったヒヤリハットをご紹介します。

  • 保護者が落としたアクセサリーを0歳児が口に入れているところを保育士が発見
  • 公園での戸外遊び中に公園から外に出ようとしていた園児を他クラスの保育士が保護
  • アレルギー児に誤って普通食の給食を配膳。配膳後すぐに気付き未然に防いだ
  • 伝い歩き中の0歳児が手を滑らせ転倒。窓の木枠に頭をぶつけるが大事には至らず
  • すべり台の階段から子どもが転落しそうになったが保育士が受け止めた

このように保育園では大きな怪我や事故に至らなかったものの、一歩手前という事態が多く起きています。例えば、アクセサリーの誤飲というヒヤリハットを共有することで、保護者が保育室に入った後は落とし物に注意する意識が芽生えますね。アレルギー児の配膳では必ずダブルチェックを行い、より一層気を付けるようになります。0歳児が伝い歩きをする箇所には保護クッションを付けるなどの設備の改善や、公園では必ず出入口で保育士が見守るなどの職員配置を見直せる機会ともなるのです。

ヒヤリハット共有のために大切なこと

ヒヤリハットが起きたとしても共有がされなければ、また同じようなことが起こります。今回は未然に防ぐことが可能でしたが、次回は本当に大きな怪我や事故に繋がる恐れもあるのです。そんな事態を防ぐためには、定期的にヒヤリハットの共有をする必要があります。職員会議やクラス会議、引継ぎノートを用意しても良いですね。ただ書くのではなく、ノートに書き留めたヒヤリハットを皆で共有し、時間を見つけて話し合いの場を設けることをおすすめします。

また、ヒヤリハットが起きた時に保育をしていた保育士を、責める雰囲気を絶対に作らないことも大切です。保育士を責めてしまえば、次からヒヤリハットがあったとしても周囲に伝えなくなる可能性があります。
ヒヤリハットが起きた時には、事故に繋がらないためにはどうすれば良いのかという前向きな話し合いを心掛けましょう。

保育の現場で日々起きているヒヤリハット。共有をしなければ、自分1人もしくはクラス内だけで「ヒヤッとしたこと」で終わってしまいます。しかし、園全体で共有をすれば事故を未然に防ぐための対策になるのです。ヒヤリハットの共有をすることで、実際に自分が保育中に経験をしていなくても、危険予測をするための1つの目安ともなりますよ。
ヒヤリハットの共有を徹底し、子どもたちが安全に園生活を送れるようなサポートをしていきたいですね。