慣らし保育のポイント~子ども目線の楽しさで気持ちを引き付ける

新入園児が入園してくる4月。いよいよ慣らし保育が始まります。大好きなお母さんやお父さんと離れて、初めての場所で過ごす子どもたちにとっては試練の時ですね。登園時はもちろん、降園時までずっと泣いているという子どもも少なくありません。保育士には、そんな子どもたちの気持ちを受け止め、少しでもスムーズに保育園生活に慣れられるような関わりが求められます。慣らし保育中の子どもに、「保育園って楽しい」と感じてもらうために。子どもの気持ちを引き付けるポイントをご紹介します。

受け入れ時には興味を引くアイテムを用意する

慣らし保育で1番大切な瞬間が朝の受け入れです。登園時は泣く子どもがほとんどですし、保護者の方も別れがたいのでつい保育士に預けるまでに長い時間がかかってしまいます。そんな時こそ保育士の腕の見せ所。保護者の方には「しっかりとお預かりしますので大丈夫ですよ」と声を掛けて、必ず抱っこで子どもを預かります。

そこで早速、子どもの興味を引くアイテムの登場です。0歳児でしたら音の出るおもちゃや動きのあるおもちゃ。1、2歳児でしたらアンパンマンなどの子どもが好きなキャラクターが良いでしょう。「お母さんにバイバイしようね」という声掛けはNG。お預かりしたらすぐに遊びに入ることがポイントです。
子どもは「回る」という動きも好きなので、丸い積み木などを回して見せることも効果的。一瞬でも泣き止んでくれる遊びがあれば、繰り返し行ってみましょう。

手遊びやわらべ歌で子どもの気持ちを引き付ける

手遊び

受入れが終わっても泣いている子どもはたくさんいます。しかし、全員を抱っこしてあやすことは不可能ですよね。そんな時におすすめなのが手遊びやわらべ歌です。特に用意するものが必要なく、保育士がいればすぐにでも始められます。自宅で手遊びをしたことのある子どもは少ないので、初めは目新しさで保育士に注目してくれますよ。いつもよりもゆっくりと、動きを大きくすることがポイントです。子どもたちが泣き止んでくれたり、反応が良い手遊びは繰り返し行いましょう。

わらべ歌遊びはちょっとしたアイテムを使うことで、子どもの気持ちをより引き付けることができます。用意するものはハンカチ1枚。

【遊び方】

  1. ハンカチを畳んで両手ではさむ
  2. 「ペッタラペッタン もちつきもちつき ペッタラペッタン もちつきもちつきもちついた」と言いながら、両手でハンカチをたたく。
  3. 「はい、神棚へ」と頭の上にハンカチを乗せる。
  4. 手を合わせ「今年もたくさんお米がとれますように」と言いながらハンカチを落としてキャッチ!

歌の内容は少し難しいですが、頭の上にハンカチを乗せて落としてキャッチという流れが面白いようで、子どもの気持ちをつかむためには効果てきめんです。泣いていた子どもでも、笑顔を見せてくれることもありますよ。

身近なものを使った遊びで親近感を持ってもらう

子どもは目新しいおもちゃが大好きですが、同時におもちゃ以外の身近なものでの遊びも大好きです。おもちゃでは全く泣き止んでくれなかった子どもが、ビニール袋で風船を作るとすぐに泣き止んでくれたなんてことも。他にも、ティッシュを吹いて飛ばしてみる。丸めた紙を拾って箱に入れる遊びを取り入れる、など身近にあるものが少し工夫をするだけで、子どもの気持ちをつかむアイテムになります。

手遊びでも絵本でもおもちゃでも泣き止んでくれない、という時にはぜひ試してみてくださいね。ティッシュやビニールを使う時には、誤飲に十分注意してください。

慣らし保育は、子どもが保育園と保育士に慣れるための大切な時間です。子どもに楽しい場所、安心できる人と感じてもらえるように、たくさんの楽しさを提案してあげてくださいね。そして少しでも泣き止んでくれたり、笑顔を見せてくれた瞬間があったならば、保護者に報告をしましょう。保護者に安心感を持ってもらえると、子どもも早く慣れることができますよ。