保育士等キャリアアップ研修|役職手当の支給・分配は?

保育士等キャリアップ研修とは、保育士の待遇向上と専門性の強化に向けて実施する、厚生労働省で定められたガイドラインに基づく研修のことをいいます。手当も5,000円・40,000円と月々の手当にすると給与もぐっとUPしますね。役職にも就けることで自分の仕事のやりがいをより感じることもできます。でもこの手当は研修を修了するとみんなもらえる手当?都道府県や保育園によってなにか内容が変わったりするの?手当について内容をみていきましょう。

「保育士等キャリアアップ研修」を受ける基準

キャリアアップ研修は基準を満たしていると保育士以外でも受講が可能です。またこの目的は質の向上がねらいとなっており、受講することで「副主任保育士」「専門リーダー」「職務分野別リーダー」などの役職がつくことでより意識が高まり、その分役職で手当に反映されるという嬉しい待遇。

ですが園長・主任はもう役職がついているという事になり、キャリアアップ研修の受講は可能ですが、先述の新役職に就くことはできません。今後の為に研修を修了しておくと役立つでしょう。

保育士等キャリアアップ研修を受けるには?

「副主任保育士」になるには

  • 経験年数概ね7年以上
  • 職務分野別リーダーを経験
  • マネジメント+3つ以上の分野の研修を修了
    (計60時間以上研修※1分野15時間以上)
  • 副主任保育士としての発令
    →主任保育士の下に就く職です。

「専門リーダー」になるには

  • 経験年数概ね7年以上
  • 職務分野別リーダーを経験
  • 4つ以上の分野の研修を修了
    (計60時間以上研修※1分野15時間以上)
  • 専門リーダーとしての発令
    →現場専門の保育士

「職務分野別リーダー」になるには

  • 経験年数概ね3年以上
  • 担当する職務分野研修を修了
    ※保育実践・マネジメントを除く6分野
    (1分野15時間以上の研修)
  • 終了した研修分野に係る職務分野別リーダーとしての発令
    →研修修了した分野のリーダー職
キャリアアップ研修の手当

保育士などキャリアアップ研修を修了すると手当はもらえるの?

キャリアアップ研修を修了しても必ず手当がもらえるわけではありません。と、いうのも園ごとに勤務する保育士、職員の人数によって役職に就く枠が決まっているからです。

「副主任保育士・専門リーダー」手当の支給対象者

まず、保育園に「副主任保育士・専門リーダー」としての枠があります。園長・主任除く、全職員(調理員など含みます。また非常勤も含む)の1/3が対象となります。

例:90名定員の保育園 園長1名・主任1名・保育士12名・調理員など3名=計17名
園長・主任を除くので17名-2名=15名

この15名が保育園全体の職員の数となります。

15名から1/3名=5名が「副主任保育士・専門リーダー」の枠に入り、キャリアアップ研修を受講することで手当支給の対象となります。

しかし、ここで重要なのが上記5名が全員研修を受講し「副主任保育士・専門リーダー」となっても、役職手当の40,000円を確実支給されるのは1/2名です。

5名×1/2名=2.5名ですが小数点切り捨ての為、2名

そう!
もう一度おさらいですが、15名の中から5名が選抜され、5名全員が該当の研修を受講しても、定期的に40,000円の手当が給与に反映されるのは2名だけなのです。

ちなみに手当の原資は国から保育園に支給され、保育園から職員へと支給されます。
上記例のように5名が受講すると、ひとまず国から園側へ受講者分(5名×4万円=20万円)が支給されます。

と、いう事は…
5名×手当40,000円=200,000円-40,000円×2人=残120,000円
この残120,000円の使用については保育園により異なります。

「職務分野別リーダー」手当の支給対象者

副主任保育士・専門リーダー同様、役職に就くことが出来る職員の枠数は1園につき人数が決まっています。
「職務分野別リーダー」の場合は、園長・主任除く全職員の1/5人が対象となっており、5,000円の手当が支給されます。

例:90名定員の保育園 園長1名・主任1名・保育士12名・調理員など3名=計17名
園長・主任を除くので17名-2名=15名

この15名が保育園全体の職員の数となり、ここから1/5名が「職務分野別リーダー」という役職に就くことが出来、月5,000円の手当が支給されます。

15名の1/5=3名が対象です。

残りの手当の分配は?

「副主任保育士・専門リーダー」の残りの手当はどうなるの?研修修了したから手当がはいってくるのにもらえないの?と、心の声がついでてしまいう方もおられるでしょう。

残りの手当は園の裁量で主任含む職員と分配が出来るようになっています。手当の金額は5,000円~40,000円未満。ただし、「職務分野別リーダー」の方は手当をもらっているので対象外になります。

分配例

  • 主任への給与上乗せ(副主任保育士・専門リーダーが手当支給によって主任の給与を超えてしまう場合など)
  • 研修修了している保育士に分配
  • 処遇改善等加算Ⅱの対象としての支給  など
キャリアアップ研修を受けるメリット

保育士キャリアアップ研修修了のメリット

手当がもらえるか分からないんだったら、キャリアアップ研修受けても受けなくてもどちらでもいいのでは?とお思いの方。先に受けておくと今後役に立つかもしれません。

例えば、

  • 副主任保育士の方が産前産後休暇に育休を取られた際に他の人で対応することが出来ます。
  • 都道府県全国で共通なのでお引越しされた時の保育園でのアピールポイントになります。
  • 主任の役職から他園へ転職した際に、専門リーダーとして活躍する事も考えらえます。

など活躍する場は沢山あります。1分野15時間…と考えると早めにキャリアアップ研修を受講しておいた方がいいですね。また、研修受講中に他府県へ引っ越し・移動になった際でも受講された分野は続行されますのでご安心を。

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保育園独自で、主任補佐や幼児リーダー・乳児リーダーで手当を支給しているところもありますが、国で定められる役職になると身の引き締まりも一段と深まり、手当できちんと反映されます。今の保育園では最大40,000円の手当がもらえなかったとしても、引っ越しで転職をした際などに保育士という資格にプラスキャリアアップ研修を修了していると、アピールになるので今のうちに修了しておきたいですね。